【ゼミ】レヴィナス『逃走論』Ⅲの発表原稿
Ⅲ章では、欲求の構造を説明する。
心理学的な欲求の説明
欲求→満足の追求
人間存在の制約としての欠如(不充足)のために他のものを求める
欲求を全体に拡散させる不快感も、この存在の有限性をあらわすものである。
満足の快楽=自然な充溢の回復
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欲求の不充足を、存在の不充足として解釈している。
心理学は実存と実存者を区別していない。
欲求の特徴である苦痛の特殊な様相
・・・不快感
とどまることの拒否・耐えがたい状況から脱出するための努力
どこへ行くのか知らないけど脱出しようとする企てであり、脱出する先の目標は未決定。
欲求を満足させうる特定の対象についての意識を欠いた欲求がある。
→満足よりも解放によって克服される不快感
欲求⇔満足させうる対象←外来の経験と教え(勉強と教育)
・問題:欲求はこのような対象で満たされるのか?
欲求の充足は不快感にこたえるものなのか?
欲求ゆえの苦痛←満たされるべき欠如を示さない。
欲求が満足したかの確認は外部からもたらされる。
欲求=現在への絶望
欲求の満足は欲求を破壊しない。 欲求の再生/満足→失望
満足は欲求を鎮めるが、欲求の最初の要請である不快感は、鎮まるという平安の理想とは異なる状況を要請している。
存在の奥底にある一種の自重は、欲求の満足によって放擲されない。
人間における満足と欲求の不一致
断食者の苦行⇒逃走の欲求
欲求の満足→満足が応えうる不充足とは、別の不充足を欲求に授ける。
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