哲学生の記録。

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2019-04-01から1日間の記事一覧

【ゼミ】「眼と精神」(第5章) 終わらない絵画の探求。

存在を茂みに喩えると、奥行・色彩・形・線・動勢・輪郭・表情などはその枝であり、存在をよみがえらせられるものである。存在を茂みに喩えるのは、見えるところと見えないところが風による揺れや見る角度によって違い、繁みの奥は測り知れないという点で、…

【ゼミ】「眼と精神」要約③ 絵画における「運動」を、ロダンの言葉を手掛かりに。

(『眼と精神』p.292~295) 絵画の作りだしたものは、これまでに述べたような〈線〉のほかに、〈位置の移動なき運動〉もある。絵画は画布や紙の上で起こるものであって、動くものは生み出されない。移動することなく運動を表わすやり方には、痕跡によって移…

【ゼミ】「眼と精神」要約②

(279〜283ページ) 前段落で、視覚には二種類のものが考えられることがわかった。ひとつは、デカルトに由来する「私によって反省された視覚」であり、もうひとつは「実際に起こっている視覚」である。しかし、この後者の事実的視覚や、その視覚に含ま…

【ゼミ】「眼と精神」要約①

(段落11~14?) 身体の謎と絵画の諸問題は、同じところにある。 身体が見ることができるのは、物だ。物が見えるのは、セザンヌが「自然は内にある」と言ったように、身体がそれを見るからだ。そこにあるものが身体のうちに呼び起す反響を迎え入れるこ…

【メモ】なぜ、何を描くのか。 ―アウトサイダーアートと芸術療法―

アウトサイダーアートとは ・アールブリュット、デュブュッフェの定義 ・日本でのアウトサイダーアート、山下清から? ・インサイドとは?? アカデミズムという形式(千住p.62) 日本では微妙? ・アリストテレス「アートとは人に見せたくなるもののことを…

【心理療法】読書と私

「自分」はどういう人間なのか?この問題に簡単に答えられる人は、どこにもいないと思う。人は、どんな人でも、そう単純ではないし、その人の特徴を一言で表すことができる言葉があるとは思えないほど、多面的である。特に、「自分」については、あの人と一…

【心理療法】クライエント中心療法について

1、はじめに 講義で紹介されるまでに私が持っていた来談者中心療法のイメージは、とにかくクライエントの自発性を大切にし、クライエントの発言を否定したり、「こうしなさい」という指示を出すことをしないというものだった。ひたすら発言を促して、クライ…

【組織神学】エコフェミニズムについて

1、近代思想の二項対立(文化と自然・男性と女性) 近代には「理性・感性」「合理・不合理」「主体・客体」「文化・自然」というように、世界のすべてを二項対立の図式でとらえようとする傾向があると、スーザン・ヘックマンの『ジェンダーと知』では主張さ…