哲学生の記録。

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要訳

【ゼミ】レヴィナス『逃走論』Ⅲの発表原稿

Ⅲ章では、欲求の構造を説明する。 心理学的な欲求の説明 欲求→満足の追求 人間存在の制約としての欠如(不充足)のために他のものを求める 欲求を全体に拡散させる不快感も、この存在の有限性をあらわすものである。 満足の快楽=自然な充溢の回復 ↑ 欲求の不…

【ゼミ】レヴィナス『逃走論』Ⅰ前半の発表原稿

段落1 存在の観念に対する伝統的哲学の反抗 →人間的自由と存在という事実が不和だったから。 伝統的哲学においては、人間は世界と対立することはあっても、人間自身と対立することはない。主体の内部での自我と非自我を対峙させるような、自我の統一性を破壊…

【ゼミ】『方法序説』第四部の発表原稿

『方法序説』第四部(p.53 5行目~) 神と魂の存在は、身体や天体や地球の存在よりも確かである。 夢に現れる実際とは違う身体・天体・地球も、他の思考と同様に生き生きと鮮明であり、夢の思考が他よりも偽であると分かるのは神がいるためだとしか考えられな…

【ゼミ】『方法序説』第二部前半の発表原稿

p.20「たくさんの部品を寄せ集めて作り、いろいろな親方の手を通ってきた作品は、多くの場合、一人だけで苦労して仕上げた作品ほどの完成度が見られない」ことについて考える。 ・完成度(低) 古い壁を生かしながら修復につとめた建物 村落が大都市に発展し…

【西洋文化史概説】ミシェル・フーコー『狂気の歴史』の概要と書評

≪選択テーマ≫ 文化史の発展、あるいはそれに貢献した諸研究の書評。 ≪書名≫ ミシェル・フーコー著、田村俶訳、『狂気の歴史―古典主義時代における』新潮社、1975年。 ≪概要と構成≫ 1.『狂気の歴史』とは何か 『狂気の歴史』の主張とフーコーがこれを著した…

【哲学基礎演習】『方法序説』第二部 デカルトが探求した方法の主たる規則

「たくさんの部品を寄せ集めて作り、いろいろな親方の手を通ってきた作品は、多くの場合、一人だけで苦労して作り上げた作品ほどの完成度が見られない」(p.20) 例) 一人の建築家が請け負って作りあげた建物と、古い壁を生かしながら修復につとめた建物 村…

【哲学基礎演習】ティム・クレイン『心は機械で作れるか』のまとめ

第1章「心はどのようにしてものを表象できるのか」 心的表象、あるものが別のものを表象するとはどういうことなのか。 中世・ルネサンス「生物的世界像」 ↓ 17C科学革命「機械的世界像」 ものが様々なふるまいをするのは、各々のものが自然法則にしたがって…

【哲学基礎演習】上田閑照『私とは何か』の要旨と感想

1.自我の自意識から自覚への転換には、一種の目覚めを誘発する衝撃がある まず「自覚と自意識」の節について要旨をまとめる。 「我は我なり」と言いつつ「我」が開かれる場合の「我」を自己、「我」が閉ざされる場合の「我」を自我と呼ぶことにした。自己…

【哲学基礎演習】カント『純粋理性批判』岩波文庫第二版(1786年)序文要訳

理性の営みに属するところの認識を取り扱う仕方について、学として確実な道を歩ませる。 論理学は学として確実な道を歩んできたが、というのも論理学が認識の対象とその差別とを度外視する権限を持っているからであり、それによって論理学において悟性は悟性…