哲学生の記録。

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サルトル

【現代哲学】隔たりへの応答 ―レヴィナスの他者論について―

1、「他者」は「絶対的に他なるもの」 レヴィナスにとって「他者」とは「絶対的に他なるもの」である。それは、私の予測を常に超出して同化を許さないものであり、決して自我の自同性に回収されることはない。自我にとって捉えきれないものとしての他者はサ…

【現代哲学】メルロ=ポンティの他者論  〜共存する主体という事実〜

1、メルロ=ポンティ他者論は、サルトルの批判を起点とし独我論を脱する メルロ=ポンティの他者論は、サルトルの他者論を批判するところから始まる。サルトルは、人間の実存を、意識的存在である対自存在としてのありかたと物的存在である即自存在としての…

【現代哲学】現象学と言語表現 ーメルロ=ポンティとサルトルよりー

1、メルロ=ポンティの哲学が「詩的」である理由 メルロ=ポンティが自らの哲学的問題を考察するときに使用する言語が「詩的」だという指摘がある。言語とは何かという問題をあくまでも哲学的に探究した言語論展開者の言語表現が、一見したところでは哲学と…

【現代哲学】「存在と無」にみるサルトルの主体の概念と『嘔吐』

1、現象学とは 現象学は、意識に現れるものによって世界を説明しようとする試みである。人間の知覚には限りがあり真の物体をとらえることは不可能だと、経験の世界と対比して本質の世界を仮定的するのをやめて、存在するものの存在とはまさにそれが意識の中…