北宋
1.北宋の山水画 〜大地を正面から描く〜 北宋と南宋の山水画を比較すると、北宋の山水画には山や大地が主題として描かれていると言える。そしてその特徴は、正面性の強い構図だ。たとえば范寛の「谿山行旅図」では、かなり存在感を持った山が画面の中央に…
范寛の「谿山行旅図」についてレポートする。この作品は北宋時代のもので、絹本墨画淡彩である。大きさは、縦206.3cm、横103.3cmと、なかなか大きい。 1.モチーフ まずぱっと見て何ともインパクトがあるのが、画面中央に堂々と描かれている重量感のある岩…