哲学生の記録。

大学時代のレポート文章を載せます。

【哲学基礎演習】

【哲学基礎演習】ソクラテスが死を恐れない理由

p.28(三) 哲学者は死を恐れない。死とは魂と肉体の分離であり、哲学者は魂そのものになること、すなわち、死ぬことの練習をしている者であるのだから 哲学者は死に臨んで恐れを抱くことなく、あの世で最大の善を得る希望に燃える。 哲学者は死ぬことと死ん…

【哲学基礎演習】『方法序説』第二部 デカルトが探求した方法の主たる規則

「たくさんの部品を寄せ集めて作り、いろいろな親方の手を通ってきた作品は、多くの場合、一人だけで苦労して作り上げた作品ほどの完成度が見られない」(p.20) 例) 一人の建築家が請け負って作りあげた建物と、古い壁を生かしながら修復につとめた建物 村…

【哲学基礎演習】ティム・クレイン『心は機械で作れるか』のまとめ

第1章「心はどのようにしてものを表象できるのか」 心的表象、あるものが別のものを表象するとはどういうことなのか。 中世・ルネサンス「生物的世界像」 ↓ 17C科学革命「機械的世界像」 ものが様々なふるまいをするのは、各々のものが自然法則にしたがって…

【哲学基礎演習】エラスムスの紹介

1.エラスムスとは まず、エラスムスというのがどのような人であったかというと、ルターはエラスムスのことを「彼はうなぎのような人間で、キリスト以外に彼をつかまえられる者はいない」と評しています。とらえ難い人であったようです。 彼は司祭の資格を…

【哲学基礎演習】上田閑照『私とは何か』の要旨と感想

1.自我の自意識から自覚への転換には、一種の目覚めを誘発する衝撃がある まず「自覚と自意識」の節について要旨をまとめる。 「我は我なり」と言いつつ「我」が開かれる場合の「我」を自己、「我」が閉ざされる場合の「我」を自我と呼ぶことにした。自己…

【哲学基礎演習】神と言葉について

1.ヨハネ福音書1章1節「初めに言があった」 講義資料より、新約聖書の「ヨハネ福音書」1章1節には「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。この言は、初めに神と共にあった。万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったも…

【哲学基礎演習】魂の不死の証明(ソクラテス「哲学者は死を恐れない」)

1.魂は死んでも消えない プラトンの『パイドン』の中で、ソクラテスは「知恵を愛する哲学する人は、死にむかって恐れることはない」という。哲学することとは、肉体にまつわる快楽から離れ、魂の状態に近づいて知恵を目指すものであり、死こそはまさに肉体…

【哲学基礎演習】カント『純粋理性批判』岩波文庫第二版(1786年)序文要訳

理性の営みに属するところの認識を取り扱う仕方について、学として確実な道を歩ませる。 論理学は学として確実な道を歩んできたが、というのも論理学が認識の対象とその差別とを度外視する権限を持っているからであり、それによって論理学において悟性は悟性…